10月の誕生石には、オパールとトルマリンの2つの宝石があります。トルマリンは、熱を加えると電荷が生じ遠赤外線効果があると注目され、布団や衣服にも利用されています。今回は10月の誕生石として有名なオパールについてお話します。
オパールは水晶やメノウと同じように二酸化炭素を主成分とし、重量の3~10%の水分を含んでいます。一億二千万年前から三千万年前に、時間をかけて作られ、地球の表面近くに存在します。なかでも、虹色の美しい遊色効果を表すものは限られていて、2つと同じ変化をするものはありません。
オーストラリアが、世界の産出量の90%を占め、茶褐色の母岩を持つボルダー・オパールはその個性的な形を使ったジュエリーに人気が集まっています。もう一つ有名な産地はメキシコで、オレンジ色のファイアーオパールや、透明なウォーターオパールなどがあります。が、最近は産出量が減り、見る機会が少なくなっています。
あのオパール独特の神秘的な虹色の輝きは何故できるのでしょうか。 オパール内部で、球状あるいは塊状の粒子の集まりが規則正しく並んでいる所へ光が差し込み、その屈折により様々な色を放つのです。粒子が小さいと紫、中間が緑、大きいと赤というように遊色が現れます。大きい粒子はできにくいので、赤色の出るオパールはとても貴重です。
オパールの中でも、1番高価なものはブラックオパールです。歴史は浅く、1902年に、オーストラリアニューサウスウェールズ州で発見されました。ブラックオパールは他のオパールに比べ、水分の含有量が少なく、ひび割れの心配は少ないのですが、硬度があまり高くなく傷つき易いので、衝撃を与えないように身につけることが大切です。ブラックオパールは特に日本人に好まれ、世界の半分以上が日本に輸入されています。
オーストラリアへ旅行しますと、お土産用のオパールをよく目にします。旅のちょっとした記念には良いのですが、これはオパールの貼り合わせ石(ダブレット)の場合が多いです。
本物のオパールをお望みの方は、購入前によく確認することをお勧めします。 シェイクスピアは、オパールを「宝石の女王」と褒め称えました。神秘的なオパールはこれからも私たちの心を魅了し続けるでしょう。