12月の誕生石にはトルコ石とラピスラズリがあり、今日はこの2つの宝石についてお話しします。
トルコ石の魅力は、何といってもスカイブルーの色にあります。
トルコ石を珍重して、その色に霊的な意味を与えた文化は多いのです。例えば、古くからの産地、アメリカのニューメキシコ州に住むインディアンは、トルコ石は空と海から色を盗んだからという理由で神性と力の象徴とみなしています。
確かに若者を中心に人気の高い「インディアン・ジュエリー」にはたくさん使われています。
また、トルコ石の装飾品は富みと地位を示し、これを身に着けられるのは、族長や年長者だけという部族もあります。
名前の由来は、有名な産地ペルシャやイランから、トルコ経由でヨーロッパに届いたからと考えられています。 独特の色味は、銅が含まれているため。ニュージーランドにある、トルコブルーの色をしたテカポ湖も、やはり銅が水に溶けて魅力的な色になるのです。
ラピスラズリは、濃いブルーの不透明な色で金色の斑点を含むこともあります。昔からアフガニスタンやチリ、ロシアが有名な産地です。古代中国人はラピスを「暗いブルーの砂金石」と呼び、これを粉にして眉墨として用いました。古代ギリシャ、ローマの時代からルネッサンス期を通じても、微粉状にしたラピスから青色の顔料、ウルトラマリンが作られ、多くの有名な絵画に用いられました。(今日では、さらに耐久性の良い合成顔料に取って代わっています。)
戦に勝ち、名乗りをあげた軍隊も、戦利品の報告にゴールドよりもまずラピスを挙げるくらい珍重されたのです。奈良の正倉院にも、ラピスの装身具が納められていて、古くからサンゴと並び親しまれました。
この色を身に着けると幸福とツキを呼びこむと言われ、男女問わず人気があります。 どちらの宝石も、人類の初期文明で尊ばれた石です。昔も今も、綺麗なものを見て感動する心は変わらないのです。